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連獅子
そもそもこれは尊くも 文殊菩薩のおはします
その名も高き清涼山 峨々たる巌に渡せるは
人の工にあらずして おのれと此処に現はれし
神変不思議の石橋は 雨後に映ずる虹に似て
峰を仰げば千丈の 雲より落つる瀧の糸
谷を望めば千尋なる 底は何処と白波や
巌に眠る荒獅子の 猛き心も牡丹花の
露を慕うて舞ひ遊ぶ 胡蝶に心やはらぎて
かかる険阻の巌頭より 強臆ためす親獅子の
又突き落し突き落され 爪のたてども嵐吹く
木蔭にしばし休らひぬ 登り得ざるは臆せしか
あら育てつるかひなやと 望む谷間は雲霧に
それともわかぬ 八十瀬川 水にうつれる面影を
見るより子獅子は勇み立ち 翼なけれど飛び上り
胡蝶に心やはらぎて 花に顕はれ葉に隠れ
追ひつ追はれつ余念なく
風に散り行く花びらの ひらりひらひら
翼を追うて 共に狂ふぞ面白き
間狂言/宗論(南無妙法蓮華経と南無阿弥陀仏)
獅子団乱旋の舞楽のみきん 獅子団乱旋の舞楽のみきん
牡丹の花ぶさ匂ひ満ちみち 大きんりきんの獅子頭
打てや囃せや牡丹芳 牡丹芳 黄金の蕊現れて
花に戯れ枝に臥し転び 実にも上なき獅子王の勢ひ
獅子の座にこそ直りけれ